「権利関係の問題、難しすぎてもう捨てたい…」
抽象的で複雑、そして出題範囲も広い「権利関係(民法)」は、宅建試験の最大のつまずきポイントです。
受験者の多くが権利関係で挫折し、合格が遠のいてしまうケースがあるからです。

この記事では、権利関係の問題は捨ててもいいのか、わたしが実践した攻略法を解説します。
効率的に学び、権利関係の得点を伸ばしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
【プロフィール】
- 偏差値41の高卒主婦が宅建挑戦
- 独学で1年目挫折→2年目合格
- 合格して自己肯定感アップ!家族にも1目置かれる存在に!


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宅建合格に「権利関係(民法)」を捨てるのはあり?なし?


宅建試験の権利関係は、出題範囲が広く難易度も高いため「捨てるべき」という意見があります。
わたしの意見としては、捨てるのはおすすめしません。
出題範囲と出題数から見た「捨てる」判断基準
例年の宅建試験では、全50問中14問が権利関係から出題されます。
出題範囲 | 出題数 |
---|---|
宅建業法 | 20問 |
権利関係 | 14問(うち、民法10問) |
法令上の制限 | 8問 |
税・その他 | 8問 |
配点比率が高く、宅建の合格ラインは毎年変わるため、権利関係をすべて落とすと、合格ラインに届かない可能性が非常に高いです。
宅建合格を狙うなら、権利関係を捨てるという選択肢は、現実的ではないことがわかります。
試験目前なら「一部を捨てる」戦略もあり
権利関係の問題が難解なのは事実です。



特に民法は全1050条もあり、この範囲の広さが受験者の頭を悩ませている理由のひとつです。
もし試験目前になって理解が難しいのであれば、自分の得意な分野に絞りましょう。
確実に点数を取れる分野を増やすことが大切です。
権利関係で少しでも正解数が増えれば、合格への希望は大きくなります。
宅建の「権利関係(民法)」を捨てたくなる受験者の本音


なぜ多くの受験者が権利関係、特に民法に苦手意識を持っているのか。
その理由を理解すれば、効果的な対策が見えてきます。
抽象的・複雑・量が多いという3重苦
権利関係が難しいと感じる最大の理由は、以下の3重苦です。
- 抽象的な概念が多い:「意思表示」「債務不履行」など普段使わない概念や考え方が多く登場する
- 複雑な法律構造:原則と例外が複雑に入り組み、条件によって結論が変わる
- 膨大な量:民法全体を学ぼうとすると、時間がいくらあっても足りない
つまり、法律特有の言い回しや、日常生活では使わない用語が多く、直感的に理解しにくくなっています。
暗記に頼ろうとしても、時間と労力がかかるだけ。
図や事例で補完しながら、法的思考を深めていきましょう。
過去問を覚えるだけでは正解できない
権利関係は、単純な暗記では対応できない問題もあります。
出題の仕方にクセがあり、問われ方が違えば正解も異なります。
借地借家法第38条の定期建物賃貸借(以下この問において「定期建物賃貸借」という。)に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
① 定期建物賃貸借契約を締結するには、公正証書による等書面によらなければならない。
出典:宅建過去問(平成26年問12)
例えば上記問題の場合、①は「公正証書による”等”書面に」となっており、内容が正しいため、選んではいけません。
一方、もしこれが「公正証書による書面に」となっていれば誤りです。
定期建物賃貸借契約を締結するには、「公正証書が含まれる」と覚えるだけではなく、「公正証書以外の書面も含まれる」と覚える必要があります。



このように権利関係では、ひっかけ問題が出題されます。
根拠となる法律の考え方や、条文の趣旨を理解する学習が重要です。
難しすぎてモチベーションが落ちる
権利関係は学習範囲が広く、点数アップにつながりにくいため、学習効率が悪いと感じます。
そのため、学習のモチベーション維持が困難です。



権利関係を捨てて他の範囲を重点的に学習したくなる気持ちは非常にわかります。
しかし、自信を失ったり必要以上に時間を費やしたりするよりも、取り組みやすい分野(宅建業法など)に集中して達成感を得ることが効果的です。
一度離れて他の科目で得点力を上げることで、再び民法に取り組む意欲が湧きやすくなります。
つまずきを感じたら、無理に続けず一時的に他の分野の学習に取り組みましょう。
宅建の「権利関係(民法)」を捨てずに済む勉強方法


権利関係を完全に捨ててしまっては、宅建合格が遠のいてしまいます。
困難な権利関係を攻略する具体的な方法を紹介します。
早めに勉強を始めて問題に慣れる
権利関係の理解には時間がかかります。
そのため、権利関係に慣れるためには、早めに学習を開始することが効果的です。
しかし、権利関係は抽象的で難解なため、いきなり一般的な教材で学習を始めると挫折しやすくなります。
そこでイチ押しの学習方法は、まんがテキストを読むことです。
まんがテキストはストーリー形式で進むため、理解のハードルを下げる入門教材として非常に効果的です。
おすすめのまんがテキスト
電子書籍版も出ているため、通勤時やちょっとした待ち時間で勉強できるのでおすすめです。
最初から完全に覚える必要はありません。
さらっと読んで「民法ってこういう世界なんだ」とイメージを持つだけで十分です。
出題確率の高い範囲を優先的に学ぶ
限られた時間で効率よく学習するためには、出題確率の高い分野から優先的に学ぶことが重要です。
特に以下の分野は毎年出ているため必ず押さえておけば、4点を確保できます。
- 借地借家法(2問)
- 不動産登記法(1問)
- 区分所有法(1問)
残り10問中5問を正解すれば、権利関係で6割以上の点数が取れることになります。
図にしてストーリーで考える
民法は登場人物や物の関係が複雑な場合が多く、頭の中だけで整理するのが難しい分野です。



そのため、問題文を読んだら、図を描いて関係性を整理することが効果的です。
「AがBに代理権を与えてCと契約した」ような事例は、図にすることで誰が誰と契約しているかが一目でわかり、問題が解きやすくなります。
下の画像は、わたしが勉強の時に書いたノートです。


図の書き方は、スクールの動画や、youtubeの講師が書いているのを真似するのがいいですね。
わたしも動画の講師をマネして書いています。
- L…貸す
- S…売る
- だ…代理
- ば…媒介
と決めていました。



問題数をこなすと、図を書くのがめちゃめちゃ早くなりますよ。
また、民法は、「かわいそうな人・立場の弱い人を助ける」が基本的な考え方です。
解答がわからない場合は、以下のやり方で問題を解きましょう。
- 図で関係(ストーリー)を整理する
- 誰が一番かわいそうで助かるべきかを考える
深追いせず他の問題の正答率を上げる
権利関係の全てを理解しようとするのではなく、確実に得点できる分野を確保するようにしましょう。
難問や細かい問題に時間をかけすぎず、得点源を増やす戦略が効果的です。
範囲が広くなく、点数の取りやすい宅建業法や法令上の制限で確実に得点することを考えましょう。
権利関係は「取れるだけ取る」というスタンスも重要です。
「権利関係(民法)」が不安なら通信講座を活用しよう


独学で権利関係を理解するのが難しいと感じたら、通信講座の活用がおすすめです。
宅建の通信講座では、効率的な学習方法や重要ポイントを教えてくれます。
おすすめの通信講座は以下の通りです。
講座名 | フォーサイト | アガルート | ユーキャン |
---|---|---|---|
おすすめタイプ | バランス・楽しさ重視 | 質・じっくり学習重視 | 安心感・定番重視 |
費用目安 | 約6万円~ | 約10万円前後 | 約6万円台 |
特徴 | フルカラーテキスト,.eラーニング充実, | 映像講義中心, 合格特典あり | 添削指導あり, デジタル対応 |
サポート | 学習サポート, 返金保証あり | バーチャル校舎で交流, 学習相談 | 質問可(1日3回) 添削指導(7回) |
合格実績 | 79.3% (2024年) | 66.26% (2024年) | 10年間で約1.4万人 |
公式サイト | フォーサイト公式 | アガルート公式 | ユーキャン公式 |
イチ押しは合格率の高い『フォーサイト』ですが、予算感や学習体系から、自分に適した講座を選びましょう。
各通信講座については、以下の記事で比較しながら詳しく解説しています。
ぜひあわせてご覧ください。


まとめ:「権利関係(民法)」全捨ては危険!宅建は戦略的な勉強がカギ
宅建試験の権利関係、特に民法は難しい分野です。
しかし、完全に捨ててしまうと宅建に合格できる確率は著しく下がってしまいます。



頻出分野だけでも確実なものにし、得点源にしましょう。
特に以下の分野は毎年出ているため必ず押さえておけば、4点を確保できます。
- 借地借家法(2問)
- 不動産登記法(1問)
- 区分所有法(1問)
どうしても理解が進まない場合は、通信講座などの外部サポートを活用して、効率よく学習を進めることもひとつの手です。
講座名 | フォーサイト | アガルート | ユーキャン |
---|---|---|---|
おすすめタイプ | バランス・楽しさ重視 | 質・じっくり学習重視 | 安心感・定番重視 |
費用目安 | 約6万円~ | 約10万円前後 | 約6万円台 |
特徴 | フルカラーテキスト,.eラーニング充実, | 映像講義中心, 合格特典あり | 添削指導あり, デジタル対応 |
サポート | 学習サポート, 返金保証あり | バーチャル校舎で交流, 学習相談 | 質問可(1日3回) 添削指導(7回) |
合格実績 | 79.3% (2024年) | 66.26% (2024年) | 10年間で約1.4万人 |
公式サイト | フォーサイト公式 | アガルート公式 | ユーキャン公式 |
権利関係は「全部捨てる」のではなく、「取れるだけ取る」戦略が合格への近道。
戦略的に学習し、確実に合格を勝ち取りましょう!